日本には、お正月に多くの家庭でおせち料理をいただき、新年をお祝いする習慣があります。地域ごとにそのレシピは様々です。今回は東北地方に伝わるおせちレシピをご紹介したいと思います。
まずおせち料理の起源ですが、その始まりははるか昔、弥生時代だとも言われています。
中国から暦が伝わってきたのがこの時期とされ稲作の習慣が定着し始めこれまでより食料確保に余裕が生まれたことから余剰文化が発達したとされているそうです。季節の節目に合わせて、収穫物をもたらしてくれる神々に感謝をささげるため、作ったのがおせち料理の始まりです。しかしこの時代はおせちのような豪華な食事をとっていたのは一部の人のみ。おせち文化が一般の家庭にも定着したのは江戸時代とも言われております。
東北地方の旬の食材をつかったご当地おせち料理をリサーチしてみました。みなさんのご家庭に並ぶレシピのルーツは一体どこの地域?ぜひご覧ください!
〈青森県〉
青森県津軽地方の年越しにはお蕎麦とおせち!大晦日におせちをいただく習慣があるのが大きな特徴です。お正月には台所を預かる女性にも休んでほしいという思いからこの習慣が生まれたんだとか…!
代表的な郷土おせちとして知られているのが「いちご煮」。ウニとアワビを潮汁に仕立てたお吸い物で乳白色のスープに沈むウニの姿が、朝もやに霞む野いちごに見えたことから、この名前がついたといわれています。ウニとアワビから出る出汁が美味しそうですね…
〈岩手県〉
昔から鮭がよく獲れる岩手県では、「紅葉漬け」と呼ばれる郷土料理がお正月に欠かせない定番料理だそうです。大きめの鮭の身と生いくら醤油漬けにしたもので、その鮮やかな色から紅葉に例えられ、「紅葉漬け」と名付けられているそうです。
〈秋田県〉
秋田県日本海側では毎年たくさんのハタハタと呼ばれる魚が産卵のため寄り付きます。それに合わせ秋田県では11月からハタハタ漁が始まります。そのため秋田ではハタハタは身近な食材で保存食やご当地料理として親しまれてきました。特にハタハタずしは正月を代表するお料理でご家庭ごとに仕込みの味が異なるそうです。
お写真がご用意できなかったので気になった方はぜひ「ハタハタずし」で検索してみてくださいね♫
〈宮城県〉
仙台のおせちといえばやっぱりずんだもち!仙台のおみやげ品もずんだにちなんだものが増えているので食べたことがある方も多いのではないでしょうか。また子孫繁栄の意味が込められているナメタガレイの煮付けも定番のようです。仙台では、年末になるとナメタガレイの価格が高騰するほど定番のお料理だそうです。
おせち料理とは話題がずれてしまいますが、宮城県では初詣のことを元朝詣り(がんちょうまいり)と言います。筆者は宮城県生まれ宮城県育ちのため元朝参りという呼び方が宮城県だけということを知りませんでした…他の地域では初詣のことはなんと呼ぶのでしょうか、気になるところですね。
〈山形県〉
言わずとしれた果物王国山形県!お正月の食卓にももちろんフルーツを使ったお料理「柿なます」が並びます。農村の各家庭の多くには柿の木があるといわれるほど県民にとって身近な果物の柿。晩秋には干し柿づくりや、焼酎を使った渋抜き作業が行われます。山形を代表する柿には「平核無(ひらたねなし)」があり、四角く平らで種なしの渋柿なのが特徴だそうで、渋抜き後はとろけるような甘さになります。干し柿は吊してから30~40日ほどたつと表面に白い粉がふいてきて食べ頃になり、それがお正月にはなますになるそうです。
〈福島県〉
福島県の定番おせち料理としては「いかにんじん」と「豆数の子」の2品が登場!
いか人参はするめと人参だけでできてしまう、シンプルだけど旨味が凝縮された酒の肴として愛される一品です。まめで達者で子孫繁栄をという思いが込められている「豆数の子」。乾燥枝豆を一晩かけて水で戻し、塩抜きした数の子と共に、醤油、酒、みりんなどで創るつけ汁にさらして出来上がり!どちらもシンプルなお料理ですが素材の旨味が感じられる福島の定番料理だそうです。
いかがでしたか?何気なく食べていたお正月のお料理に込められた意味や文化を知ることで更に有り難みも美味しさも増してくるのではないでしょうか。今後も東北の文化やおもしろい習慣などお伝えしていきますのでお楽しみに!
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