もうひとつの会津名物「あわまんじゅう」って知ってる?

もうひとつの会津名物「あわまんじゅう」って知ってる?

みなさんは「あわまんじゅう」を知っていますか?

あわまんじゅうは福島県会津地方に伝わる、粟(あわ)ともち米を混ぜた生地にたっぷりのこしあんが詰まった伝統的なお菓子です。

会津地方

あわまんじゅう02会津地方は福島県の西部に位置し、鶴ヶ城(会津若松城)や猪苗代湖(いなわしろこ)、日本三大ラーメンにも数えられる喜多方ラーメンなどでよく知られています。
また幕末の戊辰戦争の舞台となった土地でもあり、会津のために戦った戦士「白虎隊」が飯盛山(いいもりやま)の頂上にまつられています。
2013年には、会津に生まれ「幕末のジャンヌダルク」とも呼ばれる新島八重を主人公とした大河ドラマ「八重の桜」の舞台にもなりました。
会津地方北東部の会津盆地では、豊富な雪解け水による稲作が盛んで、コシヒカリやひとめぼれをはじめとしたおいしいお米が毎年収穫されます。

製法・特徴

あわまんじゅう01そんな会津地方でつくられてきたこのあわまんじゅうは、粟の実の色をイメージしクチナシで黄色に染めた生地をおちょこのような容器に入れ、そこにこしあんを入れ蒸して作られます。
この作業はいまでもひとつひとつ手作業で行われており、伝統を受け継ぐ和菓子職人の熱意が込められています。
こうして作られたあわまんじゅうは写真のように黄金に輝いており、他の一般的なおまんじゅうと比べてみると一風変わった見た目をしています。
生地は粟にもち米を混ぜて作られているため、蒸したてのときには非常にもちもちした食感を味わうことができます。この生地のなかに甘さ控えめのたっぷりのこしあんが詰まっていて、ひとつだけでも大変満足感のある一品です。

あわまんじゅうの由来とは

あわまんじゅう03はなぜ会津でこのあわまんじゅうが名物となったのでしょうか…?

会津地方西部、いわゆる奥会津と呼ばれるところに位置し、赤べこの発祥地でもある柳津町(やないづまち)には「福満虚空蔵尊円蔵寺 (ふくまんこくぞうそんえんぞうじ)」という有名な寺院があります。
足元に只見川が流れる円蔵寺は、西暦807年に創建されたと言われ、日本三大虚空蔵尊のひとつに数えられています。現在では毎年1月7日に行われる「七日堂参り」や初詣の時期を中心に多くの人々が訪れます。

江戸時代、この円蔵寺付近で大きな火災があり、円蔵寺の一部もその被害を受けました。
このとき、当時の住職が「もう二度とこのような災難に”あわ”ないように」という思いを込め、粟を使ったまんじゅうを作ったのが始まりだと言われています。
現在では町内5件以上の和菓子屋さんに加え「道の駅 会津柳津」でもあわまんじゅうを製造販売しています。

Let’s 実食!

あわまんじゅう04今回、円蔵寺のおひざ元にある岩井屋菓子店さんのあわまんじゅうを、いままで一度もあわまんじゅうを食べたことがない方々に食べてもらいました!

「思ったより生地がもちもちしている!」
「粟のつぶつぶ感が独特でおいしい!」

先ほども述べたように蒸したてはもちもちした食感ですが、少し時間が経つと粟のプチプチ感を味わうこともできます。
あわまんじゅう05「中のこしあんが甘すぎなくて食べ飽きない!」
「いままで食べたことがないような面白い食感!」

食感を左右する生地の厚さはお店によって個性があり、いろいろなお店のあわまんじゅうを食べてみて自分のお気に入りを探すのもひとつの楽しみ方です。

まとめ

あわまんじゅう06喜多方ラーメンや会津ソースカツ丼など他の会津名物に埋もれがちではありますが、会津にはこんなにおいしい「もうひとつの名物」があったのです。

あわまんじゅうはその生地の特性上、製造から2~3日ほどで固くなってしまいます。
ぜひ会津に来て、蒸したてホヤホヤのあわまんじゅうを食べてみてください!

▼岩井屋菓子店
〒969-7201 福島県河沼郡柳津町柳津寺家町甲147
電話番号:0120-294-247
ウェブサイト:http://www.office-web.jp/iwaiya/(日本語のみ)

▼アクセス
・鉄道
「JR会津若松駅」からJR只見線で「JR会津柳津駅」へ(約1時間)→「JR会津柳津駅」から徒歩で約8分(円蔵寺) 約10分(岩井屋菓子店)
・車
磐越自動車道「会津坂下IC」より車で約8分(円蔵寺ふもとに参拝専用駐車場あり)

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